悲願心中フラクタル

悲願心中フラクタルのあらすじ

■物語
大正のはじめ。華族でありながら一大企業を抱える鹿島家。
その主人の邸宅であった通称、「海老茶館」が全焼する事件が起きた。
この火事によりこの邸宅の所有者であり、鹿島家当主の「鹿島幹生」、
そして幹生氏の妻「千晶」、更に泊まり込みの使用人六名が焼死するという、
この地域では後まで語られるほどの大きな事件であった。
長らくこの火災事件の犯人は当時、家庭内の不和から心を病んでいたという、
幹生氏の一人娘、「結緋」の放火であるとされてきた。

しかし三年後、この事件今になって追いかけるひとりの少女がいた。
この物語は、この事件の中心人物であり数少ない生存者である、
幹生氏の一人娘「鹿島結緋」と、この館に泊まり込みの書生「羽村良太」の二名に、
当時近しい関係であった九名の人物に、一人の少女が行ったインタビュウをまとめた話である。
しかし証言から得られる二人についての話はとても断片的なものばかり。

それでも、燃えて残った僅かな欠片のみに真実は残る……

■概要
「悲願心中フラクタル」は短編オムニバス形式のホラー＆サスペンスです。
インタビュアとなった少女が証言を得ていく中で、
三年前の事件の真相が明らかになっていきます。
あなたは少女よりも先に、真実を明らかにすることができるでしょうか。