
西暦2236年は、先輩、鬱、シリアスなどのジャンルが好きな方にオススメのゲーム作品です。
未来も過去も、ヒトは変わらない。
テレパシー的な能力が発達した未来の日本を舞台に、
テレパシーが使えない学生のたちとのディス・コミュニケーションを描く。
一般的にとっつきにくい独特の概念が多く、
万人向けにわかりやすい娯楽作品でもないが、前衛的な佳作。
コメディ調もあるが、わりと淡々とした会話劇で進んでいく。
世界や現実、記憶とアイデンティティを探求する散文詩な内容で、
例えるならエヴァンゲリオン終盤の雰囲気に近い。
哲学思想もだけど、主に数学ネタが占める。
選択肢は少ないが、ミスするとスタートに戻る。
エロシーンは少なく、そこに期待する類の作品ではない。
プレイ時間は9時間以上。番外編がアプリで遊べる。英字幕あり。
途中、やや小フリーズになり、それが演出かわからなくて困った。
オートプレイでもイラストで止まるので、その都度クリックは面倒だった。
獅子は猫に頭を下げるのか?
その電波的・哲学的・前衛的な作風から複雑で難解なものと感じるかもしれないが、実際の所はシンプルな内容で、初恋と多感さを抱えた同じ意味の物語を、それぞれ違う尺度・アスペクトで再構築しただけに過ぎず、それを文字通り意味を失うまで、何度も何度も心を揺さぶられながら読み進めていくことになる。
世界が平坦でも丸くも無いことに気付いた時、果たして泣き崩れるだろうか?あまりにも理由が解らなくなった時、果たして笑えるだろうか?同じ意味を見出しただけで、それを特別と感じるだけだろうか?結局、それらがナンセンスであると知った時、虚無だと感じるだろうか?
なので、いくら迷っても終点は一つしか無いらしい。
彼女達との思い出に『今』を定義付ける事はできない。
――過去と未来、どっちが長いの?
あらすじ
――西暦2236年4月1日
――99通のメールが届いていた。
――99通まったく内容が同じそのメールの送り主は......彼女だった。
物語は西暦2231年春から始まる。人々は「テレパシー」という新しいコミュニケーション手段を手にしていた。主人公のヨツバは新学期の教室にテレパシーしない少女がいることに気がついた。その次の日も、彼女のゲートは閉じられたままだった。
そんなある日、ヨツバは自宅の庭で一本のプラスドライバーを見つける。ドライバーから読み取った情報に導かれるように家の近くにあった廃墟、洋館の中に入る。そこで彼は’あるもの’を見つけた......。
それは人類の否定
それは思出の棄却
わたしをフカンするノベルゲーム
『西暦2236年』
動作環境Windows/MacOSX/Linux
(AIRNovel,AdobeAIRの必須システム構成に準拠)
※18歳未満のお客様は購入できません
OPテーマ『SOLVED9』
©2015ChloroALLRIGHTSRESERVED.