
こゆきちゃん、艱難辛苦は必ず乗り越えなければいけないんだ、強く。
著者の別作品、はぴはぴハピネスの後日談的お話しです。著者作品のタイトルには、クソみたいな世の中に対しての皮肉100%な、清々しささえ覚えるニュアンスのもので溢れてますが、この作品もそう。楽しげでリズミカルなタイトルを潜れば、そこにそびえ出るのは地獄の門。一切の希望を捨てよ、そんな内容になっています。著者の他タイトルには、混沌の中でも希望を見出だせるものがあります。が、この作品にはそんな希望もなく、最悪の読後感をお見舞いされる部類です。もはや野暮ですが、画力・構図・台詞、天才の領域だと感じます。シャブ漬け廃人の片親の元に生まれたこゆきちゃんが、悪夢のような毎日を送る中で、マブダチと出逢えます。待ち焦がれた突然の出逢いに、読み手は『良かったね!本当に良かったね!!』と涙が出ます。だが、しかし。だが、しかし、、、。やっと出逢えたマブと同じ高校に入りたい、そんなささやかな、しかし切望する願いさえ、貧困という出口の無い迷路に翻弄されて、誰も望まないラストを迎えます。高校進学費用を捻出する為に、薬漬けの実母が提案した金作は、親娘揃ってのAV出演。こゆきちゃんは強烈な拒否反応を、歯を食い縛りながら押し殺して、撮影を耐え抜きます。撮影中のこゆきちゃんの表情、気持ちの限界を超えて漏れ出す台詞、直視出来ません。切実な願いを持った純心が、現実に汚され、蹂躙されてゆく光景は、精神にかなりきますので、心が疲れている時には読まない方が良いです。逆に、心が疲れ切り、自分より悲惨な存在に心の救いを求めるなら、残酷ですが、効果はあるように感じます。『エロ漫画』としては、悲しくて悲しくて使えません。個人の主観的作品レビューですので、全てが主観的な意見な訳ですが、とても『エロ漫画』としては受け止められない。オレのマブダチは、なんか好きそうで怖いですが、この作品を手におちんちんをスタンバイして、シコるぞぉー!という気には微塵もなれません。ただただ、こゆきちゃんが笑顔になれるなら、オレに出来る事、何でもやっから!!!そんな気持ちしか生まれません。何故、生きる事はこんなにも苦しいのですか?生老病死、愛別離苦、四苦八苦からは逃れられませんか?一切、皆、苦。こゆきちゃん、本当の友達は、離れていても、繋がってるんだ、悲しい事ばかり起こって、生きるのが嫌になるよね、でも、でも、生きて。生きていてくれるだけで良いんだ。
前号掲載「はぴはぴハピネス」の続編。あれから10数年が経ち、赤子だった少女「こゆき」は進学するかどうか、人生の岐路に立っていた。ひょんな事から知り合った少女と進学への道を選ぼうとするが、待っていたのは薬中になっている母親の一言だった。「貧乏なあんたが進学する方法は…」!!