
舞台は昭和5X年の架空の京都。
進駐軍と街娼の間に生まれた誠司は、その出自ゆえに幼少より過酷な運命を背負い、茨の道を歩み続けてきた。
それでも、彼はひとり娘の幸子を心の支えとし、全てを捧げて育て上げた。幸子もまた、父を心から慕っていた。
母と父と娘。傍目には、絵に描いたような幸福な家族そのものだった。
しかし、母の死を機に、ふたりの関係が静かに、しかし確実に、崩壊を迎えていく。
父×娘の暗めで不道徳な近親ものです。
性描写よりストーリーがメインなのでご注意ください。
途中に成人女性の性描写が挟まりますが、父が竿やるのは娘相手のみです。
破滅する成人男性に主眼を置いた作品
本作品を読むにあたり、タイトルから父娘近親相姦というロリ娘に淫靡な行為をすることを期待して購入してしまった読者が多いと思われますし、実際そのような内容を充分に含む作品でしたが、作品の本質としては『破滅する成人男性がなけなしの良心と呵責が破綻して絶望する』のがメインであり、抜きより精神性を重視した作品だと言えます。淫靡の片鱗を得たロリ娘の幸子により狂わされてしまった誠司の破滅する様は見るも凄惨であり、恐らく作者は父娘が致すシーンよりも恋人として毒薬キスをする二人の表情を描く時の方が勃起していたと思われます。作者が男性か女性か分かりませんが、確実に勃起していたと思われます。物語としては人間失格のような上手く生きれない者の破綻と、それでも得られた確かな幸せの気持ちを抱きながら絶命する、その生き様はとても素晴らしかったです。
本来は文学的観点から星5で評価すべきと思ったのですが、誠司があまりに可哀想すぎて勃起よりも萎える点が大きいのと、途中でおばさんに行為を見られてしまうシーンで抜くよりも爆笑の方が大きかったので、あえて星4とさせて頂きます。
記憶に残る傑作
作者さんは様々な巻末にある資料を元に本作を仕上げているので、戦後期の世界観がバッチリです。
近親相姦における、背徳感の描写が特に凄まじい。
作品のタイトル通り、親子関係がテーマですが、父としても娘としても失格な作品となっております。
背景としては、主人公の父親の生い立ちが悲惨な事もあります。
あと、とにかく娘の健気さが、泣ける!
泣けるのに、抜ける!
背徳感は最高のスパイスって、よく分かりました。
もはや文学
どちらかというとニッチでマニアックなジャンルかもしれませんが近親モノ(おにロリ)好きな人には絶対刺さるはずです。
言葉足らずで申し訳ないですがいろんな意味で刺さった作品でした。
これはこれで好き
倫理観とか関係なく、こういう世界観なんだなと割り切った上で楽しませていただきました。
父の人生を知ると、あまりにも辛いことが多すぎて、見ててとても心苦しかったです。
その中で大切にしてきた娘の首に手をかけてしまった罪悪感、唯一自分のことを受け止め、愛してくれる娘にだけ欲情してしまう背徳感。興奮より、このふたりが幸せならそれで良いやと、応援したい気持ちで見ることができました。ずっと2人には幸せでいて欲しかったけれど……まさかの心中(泣)でもこれはこれで、2人が幸せな形のまま死ねたのなら、良かったのかなと思えました!
購入して良かったと思えました!