
「俺がいるのに、なんで!」
穏やかだったはずの愛息子の豹変。再婚を目前に控えたある夜、寝室の静寂を破り現れた彼が突き付けたのは、嫉妬に狂った憎悪と、実の母へ向ける歪んだ独占欲だった。「親子だからダメよ」という理性を暴力的な愛撫が塗りつぶし、拒絶は快楽へと書き換えられていく。泣きじゃくりながら腰を振る息子を前に、母が下した決断は、今夜だけ彼の「雌」になり果てること。再婚が決まった母と、それを許さない息子。互いの全てを貪り尽くした果てに、母のお腹に宿る秘密――
総字数約6,500字(読了時間約13分)
〈本文より抜粋〉
ふと、廊下の方できしむ音がしたかと思うと、寝室のドアが音もなく開く気配を感じた。夫が亡くなってから数年、この神聖な寝室に夜分、誰かが入ってくることなどなかったはずなのに。心臓が早鐘を打つ。暗闇に目が慣れるにつれ、ベッドの脇に立つ人影の輪郭が浮かび上がってきた。それは間違いなく、私の愛しい息子だった。けれど、そこから発せられる重く湿った雰囲気は、いつものあの子とはまるで別人だった。
〇
あの子の熱く猛り狂ったモノが、強引に私の狭い入り口を抉じ開け、侵入してきたのだ。「あぐぅっ……!ひいいぁっ、ぁ……!」あまりの衝撃と異物感に、言葉にならない声が喉の奥から押し出された。避妊具をつける気配など、最初からなかった。ゴムの無機質な感触などない、熱くて硬い、生々しい粘膜同士が直接擦れ合う感覚。あの子は本気で、この私に自分の子供を産ませるつもりでここに来たのだ。
〇
私はあの子の広い背中にそっと腕を回し、昔そうしていたように、ゆっくりとあやすように優しく撫でてやる。「大丈夫。……大丈夫だから」そうして、私は決して越えてはいけない一線を、誰に強要されたわけでもなく、自らの意思で踏み越える言葉をあの子の耳元で囁いた。「今夜だけは……お母さん、あなただけの物になってあげる。だから、もう泣かないで、落ち着いて」
