
春の終わり、思春期の少年・春樹は気づいてしまった。衣装ケースの奥底、封じ込められた母の衣服から漂う、甘く腐敗するような官能の香りに。薄いシルク一枚を隔てた背中の熱。汗ばむ肌を拭う冷たいタオル。「触れたい」――その一線を越えようとする怪物が、少年の理性を静かに、しかし確実に蝕んでいく。ひと夏の儀式がもたらすのは、罪の共有か、それとも永遠の渇きか。濃密なフェティシズムで描く、母と息子の禁断の心理劇。
※直接的な性行為の描写はありません。行為そのものよりも、それに至るまでの焦燥感やフェティシズムを重視した耽美的な作品です。
総字数約12,500字(読了時間約25分)
